2013-01-01から1年間の記事一覧

この国はどこに向かおうとしているのか

年のどん詰まりにきて、また恐ろしげなことが起こった。政府が南スーダンに展開する韓国PKO部隊への弾薬提供を決めたのだ。 決定はすばやかった。菅官房長官は記者会見で、国連の要請があり、緊急性、人道性が高かった、と述べた。しかし、たとえ国連の要…

「追悼 成井恒雄展」益子で開催

ことし最後になる「成井恒雄展」が、この12日から地元益子町のギャラリー緑陶里で開かれている。期間は12月1日まで。 個展は恒雄さんが亡くなってからすでに3回開かれていて、今回が4回目。その案内状に、長男の亙さんが「あいさつ」を載せている。 …

暗黒社会に戻すのか―世紀の悪法「秘密保護法案」

知れば知るほど恐ろしくなる「特定秘密保護法案」。安倍内閣はその意図をごまかしながら、今国会での成立に躍起となっている。いつもは政権に弱腰の大手メディアも、取材・報道への規制につながりかねないと危機感を募らせ、ここにきて批判を強めている。 法…

梨を食して友を想う

高知の友人から新高梨が送られてきた。友人は高知市針木で梨園を経営していて、毎年この季節になると自分の農園で作った梨を送ってよこす。大きさは年によって異なるが、今年は700グラムほどのものだった。 針木産の新高梨はみな大玉で、以前送ってもらっ…

栃木市に、版画家・糸井哲夫さんを訪ねた

益子・円道寺窯の一時期について詳しく知る人がいる。そう聞いて、栃木県栃木市に住む版画家、糸井哲夫さんを訪ねた。 栃木市は江戸時代から宿場と舟運によって栄えた商都として知られる。その繁栄を物語る見世蔵や土蔵が、市内各所に数多く残っている。中心…

益子・円道寺窯の成り立ちと歩みを探って

栃木県益子町の伝説的な窯の一つである円道寺窯について、その成り立ちと歩みについて調べてほしいという依頼があった。9月のはじめから、そのための作業を進めている。 円道寺窯は、成井立歩、成井恒雄兄弟の祖父が同町城内の円道寺という地に窯を開いたの…

カトリック教徒たちの「下北半島スタディツアー」に同行した

9月半ば、ルポルタージュ『原発ドリーム』が縁で、「下北半島スタディツアー」のガイドを務めることになった。主催したのは「カトリック正義と平和協議会」で、大型バス一台、50数人が参加した。東京都や神奈川県からの参加者が多く、遠く奈良県や兵庫県…

『ビッグイシュー』10周年―あらためて路上生活者のことを思う

『ビッグイシュー日本版』がまもなく10周年を迎える。新聞の報道で知った。継続的な読者ではないので意識していなかったが、知らされてみればやはり感慨深いものがある。 わたしが初めて『ビッグイシュー』を手に取ったのは2004年の夏ごろだったと記憶…

津軽鉄道に乗り、沿線を歩いた

講演で青森市に行ったおり、終えてそのまま帰ってくるのが惜しくて、ちょっと寄り道をしてきた。講演は拙著『原発ドリーム』をベースにした内容で、とくに僻地と呼ばれる村の、原発マネーなどに頼らない自立した再生の道、その可能性について話をさせてもら…

都議選―自民圧勝でも、自民と類似政党の議席は減

東京都議選の評価についてひとこと。 ほとんどのメディアが、ニュアンスに多少の違いはあっても、自民、公明の圧勝、民主の惨敗、共産、みんなの躍進というふうに報じている。しかも、自公と民主を対比させて、都政の勢力地図が大きく変わったかのように描い…

成井恒夫の今年三回目の「回顧展」が地元益子で開催

昨年3月に亡くなった成井恒夫さんの今年三度目になる「回顧展」が、きょう(28日)から地元栃木県益子町のMCAA6ギヤラリーで開かれている。期間は6月9日まで。 今「回顧展」では、小山市にある大日山美術館所蔵の作品も出品されるという。同美術館…

中学教員過労自死の公務災害認定に思う

宮城県登米市の中学教員・大泉博史さんの過労自死について公務災害にあたるかどうか争われていた問題で、地方公務員災害補償基金宮城県支部審査会はこのほど、同支部が前に出した公務外認定を取り消す決定をした。 大泉さんは登米市中田中学校で3年生を担当…

「のっつぉこぎ」考

わたしの生まれた土地に「のっつぉこぎ」という方言がある。「のっつぉ」とは仕事もしないでぶらぶらする、遊び歩く、といったような意味で、「こぎ」とはたぶん「漕ぐ」から来ているのだろう。聞けば、いま住んでいる仙台にも同様の言い方があるらしい。た…

野里征彦著『こつなぎ物語』が出版

野里征彦の新著『こつなぎ物語』がこのほど刊行された。岩手県二戸郡一戸町字小繋の小繋山の入会権闘争に材を取った小説で、今回出版さされたのはその第一部。本書では、事件の発端となった1915年(大正4年)の大火から、1932年(昭和7年)の盛岡…

釜石の津波体験集『3・11その時、私は』第2集出る

釜石・東日本大震災を記録する会の編集になる『3・11その時、私は』の第2集が大震災二年目にあたるこの三月、発行された。わたしのところにも、取材で知り合った方から一冊送られてきた。記録集はA5版170ページで、聴き取りも含めて40人の証言が…

陶芸家、成井恒雄の「遺作展」「回顧展」が開かれる

陶芸家、成井恒雄さんの「遺作展」と「回顧展」が、3月30日から栃木県内の二つの会場で同時開催される。そのうち「遺作展」は小山市にある「たから園現代工芸」を会場にして4月7日まで、また「回顧展」は同じく小山市の「大日山美術館」を会場にして4…

大震災から二年―岩手県沿岸被災地を訪ねて

大震災から丸二年がたった。 自分に係る被害が微少だったとはいえ、多数の犠牲者を出した荒浜海岸を数キロ先に控え、なおかつ、甚大な被害を蒙った石巻市を郷里に持つ者として、一日たりとも震災や津波を意識しない日はなかった。たとえ積極的に意識せずとも…

『津波の町に生きる』がアマゾンから電子書籍に

拙著『津波の町に生きる』がAmazonからkindle版として電子書籍化された。価格は1,200円で、単行本よりも20%、300円も安い。本はAmazonが販売しているKindle PaperwhiteやKindle Fire、Kindle Fire HDといった電子書籍リーダーで読めるが、これ以外…

命より原発マネーが大事か―大間原発建設をめぐって

下北半島の北端にある大間原発の建設再開をめぐり、青森県と北海道の関係自治体が津軽海峡を挟んで対立している。2月19日夜のニュースは示し合わせたようにそんなふうに報じた。翌20日の「河北新報」は、これを次のように伝えた。 《昨年10月に建設が…

ブログを移転、新装開店しました。

ついに引っ越しをした。といってもブログのこと。今後はここが新しい住み処となりそうだ。 前はプロバイダーに置いたホームページだった。使い勝手がよく、また長くつづけてきたせいでそこそこ訪問してくれる人たちもいた。だから、できることなら移転したく…