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にかほ市金浦の「掛魚まつり」を見にいく

 秋田県にかほ市金浦に、元禄時代から300年以上もつづく「掛魚(かけよ)まつり」という伝統行事がある。掛魚(かけよ)とは、案内によれば、「漁から帰った漁師が氏神様や恵比寿様にお供えする魚のこと」だそうで、金浦では金浦漁港で水揚げされた大鱈が使われる(揚がらないときはよそから持ってくるらしい)。
 この大鱈を一匹ずつ荒縄でつり下げ、漁港から金浦山神社まで運んで奉納する一連の神事が「掛魚まつり」。毎年、2月4日におこなわれ、鱈を奉納することから「鱈まつり」とも呼ばれている。縁あって、このまつりを見にいった。

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      漁港から運び出される大鱈 1メートルほどもある

 たいへん素朴なまつりだった。音曲のたぐいは漁港から出発するときと神社に奉納されるときの金浦神楽、行列を先導するときの笛太鼓のお囃子程度。それも小学生が演じるかわいらしいもので、まるで大仰さがない。それがいい。

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          鱈が奉納される金浦山神社

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            奉納された大鱈

 漁港から神社までの1キロ余を、鱈を担いでぞろぞろと歩く様はどこか間延びしていておかしみがある。地元の人より近在から見にくる人たちのほうが多いが、そうした観客に媚びるところもない。ただ黙々と歩くだけ。伝統行事と称して観客の目を惹くような派手なまつりが少なくないなか、こうした素朴さは大事にされていい。

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         小学生たちの演じる金浦神楽

 もっとも、訪れる客の目当てはまつりそのものよりも、会場で販売される寒鱈や振る舞われる鱈汁にあるようで、そこには長い行列ができていた。斯く言うわたしも、前夜の宿屋での食事といい、滞在中はずっと鱈三昧だった。いや、土産にも鱈を買って帰って、家でも鱈ずくめだった。

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          鱈汁づくりに忙しい女性たち