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この国はどこに向かおうとしているのか

 年のどん詰まりにきて、また恐ろしげなことが起こった。政府が南スーダンに展開する韓国PKO部隊への弾薬提供を決めたのだ。
 決定はすばやかった。菅官房長官は記者会見で、国連の要請があり、緊急性、人道性が高かった、と述べた。しかし、たとえ国連の要請であれ、またそれが緊急かつ人道的なものであれ、国会での論議も経ない政府の一方的な決定は断じて許されることではない。
 国連平和維持活動(PKO)協力法は必要があれば閣議決定で「物資」の提供ができると定めているが、そもそもその「物資」に武器弾薬を含んでいない。それだけではない。政府はこれまで、仮に国連事務総長から武器弾薬提供の要請があっても「断る」としてきた。理由は明らかだ。武器輸出三原則によって武器輸出が原則禁じられているからである。

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 その約束をあっさりと破った。そのために、設置されたばかりの国家安全保障会議(NSC)を活用した。国家安全保障会議とは、まさにこういうときのために設置されたのだ。
 小野寺防衛大臣は「武器弾薬の供与が要請されることは想定していなかった。緊急時における例外的措置だ」と弁明している。が、その裏には、安倍内閣が国家安全保障戦略に盛り込んだ武器輸出三原則見直しへ布石を打つねらいがある。特定秘密保護法の強行につづく今回の決定は、現政権がいかに危険なものか、改めて内外に明らかにするものになった。
 まもなく年が変わる。安倍首相は本丸の憲法改悪に向けて、さまざまな手を打ってくるだろう。すでに、維新の会などの抱き込みも始まっている。新しい年は、こうした動きとの闘いがいっそう厳しさを増す年となるに違いない。そのことを心していきたい。