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野里征彦著『こつなぎ物語』が出版

 野里征彦の新著『こつなぎ物語』がこのほど刊行された。岩手県二戸郡一戸町字小繋の小繋山の入会権闘争に材を取った小説で、今回出版さされたのはその第一部。本書では、事件の発端となった1915年(大正4年)の大火から、1932年(昭和7年)の盛岡地裁による入会権確認訴訟判決までの15年余の闘いが描かれている。

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 もとより小繋山は、小繋の農民たちが、先祖代々、自由に立ち入って木材や食料を採取してきたところである。いわゆる入会山で、農民たちが暮らしていくのにどうしても必要な山だった。ところが、複雑な経路を辿って所有権を手にした鹿志村亀吉らによって、突如、この山への立ち入りが禁止される。そこから、農民たちの闘いがはじまる。
 闘いは困難をきわめ、また複雑な経路を辿る。結果、闘いは祖父母・父母・子・孫の三代、四代にわたって引き継がれていくことになる。
 山はだれのものか? そもそも、土地はだれのものなのか?
 小説は、人間と生命を育む大地の関係という根源的ともいえる問題に迫っていく。そのなかで、入会権をめぐる歴史的な闘いと、辺地に生きる農民たちのひたむきな姿が感動的に描かれる。
 今期、注目の一書といえる。
引きつづき、第二部、第三部の発刊が予定されている。ぜひお読みいただきたい。

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  本書カバー写真の山本よしのさんが出演した映画『こつなぎ』