『津波の町に生きる』がアマゾンから電子書籍に

 拙著『津波の町に生きる』がAmazonからkindle版として電子書籍化された。価格は1,200円で、単行本よりも20%、300円も安い。本はAmazonが販売しているKindle PaperwhiteやKindle Fire、Kindle Fire HDといった電子書籍リーダーで読めるが、これ以外にも、kindleアプリを導入さえすれば、iPadiPod TouchiPhoneAndroidなどの端末でも読むことができる(アプリはAmazonの購入ページやApple Store、Google Storeなどから無料でダウンロードできる)。わたしも早速手元にあるiPad miniにダウンロードしてみたが、文字のサイズを自由に変えることができて、老眼にもなかなか読みやすい。写真もきれいだ。

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     『津波の町に生きる』 kindle版

 Amazonは昨年10月下旬、日本版の「キンドルストア」をオープンして日本国内における電子書籍の販売に本格的に参入した。国内ではすでに楽天の「koboイーブックストア」、シャープの「ガラパゴスストア」、大日本印刷・NTTドコモの「honto」などが電子書籍を販売していて、Amazonの参入で、電子書籍業界の競争がいっそう激しくなってきた。
 電子書籍は、一般に、同じ内容の本でも、紙の本よりも安い価格設定がされている。発行コストが紙と比べてはるかに安いし、また流通コストもかからないわけだから、当然といえば当然かもしれない。しかし、当の電子書籍の原本が紙の本だとすると、多少の疑問もある。
 実際、著作者のあいだでは、紙の本よりも安い価格設定をされれば印税が減ってしまうのではないか、と心配するむきもある。ものを書くことを生業にしている人にとっては収入の多少にかかわることだから、確かに、手放しで歓迎とはいかない。
 一方で、これで読書をする人が増える、と期待を寄せる人たちがいるのも事実。いずれにせよ、電子書籍が急速に普及していくことは間違いなさそうで、今後の動きを注視する必要がありそうだ。