津波

墓参りがてら石巻の津波復興祈念公園を訪ねた。

盆を避け、だいぶ遅れてから郷里の墓参りに行った。コロナ蔓延で人の移動を控えるよう呼びかけられているなかなので、実家にも連絡を入れず(連絡すれば会いたくなるので)、誰とも会わないよう心がけた。車での日帰りはさすがにきついので宿を取ったが、終…

大震災から7年、被災地で。

3月11日から4日間、震災7年目を迎える東北地方太平洋沿岸をめぐった。震災の翌年、同じ時期に被災地を訪ねようと決めてから、毎年欠かさずつづけている。もっとも昨年ばかりはいつもと違い、釜石市と後日まわった福島県だけになった。釜石市内で乗用車…

大震災から5年3ヵ月、三陸沿岸、福島県沿岸をめぐる

5月末から6月初めにかけて震災被災地をまわった。震災後まもなく主に三陸沿岸を取材で歩いて以降、3月11日とその前後には被災地の現場に立つ、と自らに課してきた。 当時、仙台市の若林区にいて、自宅はさして被害もなかったが近くまで津波が押し寄せ、…

夢に見る震災はなにを語るのか

変な夢を見た。 郷里の石巻のどこかはわからない、しかし懐かしいと感じるらしい場所の、いまはがれきの原となったところにいた。その一角だったかに、少年時代の仲間たちが集っていた。なかに、いまも交流がある友人が二人いた。 その一人が手招きをする。…

野里征彦著、震災小説集『渚でスローワルツを』が刊行

岩手県に在住しながら旺盛な創作活動をしている野里征彦の新しい作品集が、このほど本の泉社から出版された。著者は東日本大震災時の津波で大きな被害を受けた被災地に住んでおり、これまでも被災地、被災者の位置からいくつもの作品を紡いできた。新著には…

成井恒雄さんの器のことなど

5月のはじめ、何年かぶりに益子の陶器市に行った。益子には陶器市に関係なく年に何度か訪れているが、まだ仕事を持っている妻を伴って行くとなると、どうしてもまとまった休みのときになってしまう。今回は知人も同行したいというので、この連休になった。 …

「復興の歌」を聴き「復興の酒」を飲んだ、あのときのこと。

知人が亡くなった。生前、宮城県塩竃市に住んでいたが、もともとは岩手県釜石市の出だった。深いつきあいはなかったが、わたしの書いたものを目にしたりすると、思い出したように電話をかけてきた。それがいつも、すごい長電話になった。 最後に会ったのはち…

大震災からまもなく3年―岩手県釜石市のいまを歩く

大震災から二年十ヵ月経った一月半ば、釜石市を訪ねた。震災の三ヵ月後に取材に入って以来、これが八度目。行くたびに、同じ被災地でありながら復興の進み具合に大きな格差が生まれているのを感じさせられている。 格差は、当然ながら被災者にも及ぶ。そして…

被災地、被災者のことを記憶しつづける

元日はきょうだい家族が集まり、新年会を開く。年初の恒例行事だが、今年は義兄が二人、風邪を引いたり用事があったりで欠席した。二人ともいい飲み相手だったから、正月の楽しみの一つが奪われてしまったようで、少々落胆した。 ところが、始まってみればそ…

釜石の津波体験集『3・11その時、私は』第2集出る

釜石・東日本大震災を記録する会の編集になる『3・11その時、私は』の第2集が大震災二年目にあたるこの三月、発行された。わたしのところにも、取材で知り合った方から一冊送られてきた。記録集はA5版170ページで、聴き取りも含めて40人の証言が…

大震災から二年―岩手県沿岸被災地を訪ねて

大震災から丸二年がたった。 自分に係る被害が微少だったとはいえ、多数の犠牲者を出した荒浜海岸を数キロ先に控え、なおかつ、甚大な被害を蒙った石巻市を郷里に持つ者として、一日たりとも震災や津波を意識しない日はなかった。たとえ積極的に意識せずとも…

『津波の町に生きる』がアマゾンから電子書籍に

拙著『津波の町に生きる』がAmazonからkindle版として電子書籍化された。価格は1,200円で、単行本よりも20%、300円も安い。本はAmazonが販売しているKindle PaperwhiteやKindle Fire、Kindle Fire HDといった電子書籍リーダーで読めるが、これ以外…